大豆を

届ける

醤油

刺身につけたり、煮物に使ったり。日本の食卓に絶対に欠かせない調味料といえば「醤油(しょうゆ)」です。原料である大豆はクリーム色なのに、なぜ醤油は黒いのでしょうか? そして、どうやってあの独特の香ばしい香りが生まれるのでしょうか? その秘密は、目に見えない小さな「微生物」たちの働きにあります。
ここでは、醤油ができるまでの不思議な道のりと、地域によって違う醤油の種類について紹介します。

醤油づくりは「生き物」との共同作業

醤油の主な材料は、大豆・小麦・塩の 3 つだけ。
工場では、これらの材料を混ぜ合わせ、微生物の力を借りて半年から 1 年(長いものは数年!)かけてじっくりと育てていきます。

蒸した大豆と、炒って砕いた小麦を混ぜ合わせ、そこに「麹菌(こうじきん)」というカビの仲間を加えます。温度と湿度を調節した部屋で3日間ほど大切に育てると、大豆と小麦の表面にフワフワとした菌が繁殖し、「醤油麹(しょうゆこうじ)」ができあがります。これが醤油づくりのスタートラインです。

できた麹をタンクに入れ、塩水を加えます。このドロドロとした状態のものを「諸味(もろみ)」といいます。ここからが微生物たちの出番です。

麹菌の酵素

大豆のタンパク質を「うまみ(アミノ酸)」に、小麦のでんぷんを「甘み(ブドウ糖)」に分解します。

乳酸菌と酵母
味に深みを与えたり、醤油ならではの良い香りを作ったりします。

タンクの中でプクプクと泡を出しながら、ゆっくりと時間をかけて熟成し、色はだんだんと赤茶色に変わっていきます。

搾り出す

熟成が終わった諸味を、布(ナイロンなどの布)に入れて何枚も重ね、上からゆっくりと圧力をかけて搾ります。この時に搾り出された液体を「生揚(きあ)げ醤油」と呼びます。搾ったあとに残ったカス(醤油粕)は、家畜のエサや紙の原料などにリサイクルされます。

香りを完成させる

搾った醤油を加熱します。これを「火入れ」といいます。熱を加えることで、発酵を止めて品質を安定させると同時に、食欲をそそる香ばしい香りを引き出します。こうして、私たちが知っている醤油が完成し、瓶に詰められて出荷されます。

5種の展開! 醤油図鑑

販売店でよく見る醤油以外にも、日本には全部で5つの種類の醤油があります。

  • 濃口(こいくち)醤油

  • 日本で造られる醤油の約8割がこの種類。大豆と小麦をほぼ半分ずつ使っています。香り・色・味のバランスが良く、どんな料理にも合う万能選手です。

  • 淡口(うすくち)醤油

  • 関西地方でよく使われています。色は薄いですが、実は濃口よりも塩分が少し高め。京料理のように、食材の色や風味を活かしたい時に使います。

  • 溜(たまり)醤油

  • 主に東海地方(愛知・岐阜・三重)でつくられます。原料のほとんどが大豆で、小麦は少しだけ。とろりと濃厚で、刺身や照り焼きによく合います。

  • 再仕込(さいしこみ)醤油

  • 山口県などが発祥と言われています。一度できた生揚げ醤油を使って、もう一度醤油を仕込むという贅沢な製法です。味も色も濃厚で、刺身や寿司にぴったりです。

  • 白(しろ)醤油

  • 愛知県生まれの、とても色が薄い醤油。原料のほとんどが小麦です。甘みが強く、お吸い物や茶碗蒸しなど、色をつけたくない料理に使われます。

「種類(原料-製法)によるしょうゆの分類」(キッコーマン)をもとにSOY Mag.編集部が作成

九州の醤油はなぜ甘い?

九州や北陸地方へ旅行に行くと、刺身醤油が甘くてびっくりしたことはありませんか? これは、その土地の歴史や食文化が関係しています。実は、これらの地域の醤油には、「アミノ酸液」などのうま味成分や、甘味料が加えられていることが多いのです(混合醸造・混合方式といいます)。暑い地域では甘いものが好まれたり、新鮮な魚には甘い醤油が合ったりと、地域ごとの「おいしい」に合わせて醤油も進化してきたのですね。

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