大豆を
届ける

白米の相棒、「納豆」。独特の香りとネバネバは、苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、日本が世界に誇るスーパーフードの一つです。実は納豆は、パック詰めされるときはまだ「ただの煮豆」なのです! お店に並んでいる間も、パックの中で納豆菌が生きています。ここでは、工場で納豆がどのようにつくられているのか、そして大豆が発酵することで生まれる驚きのパワーについて紹介します。

納豆づくりは、時間と温度との勝負です。工場では、次のような流れでスピーディーにつくられています。

洗った大豆を一晩水につけると、水を吸って約2倍の大きさに膨らみます。それを巨大な圧力釜でふっくらと蒸し上げます。この「蒸し加減」がおいしさの決め手になります。

ここがポイントです。蒸し上がった熱々の大豆に、純粋培養した「納豆菌(なっとうきん)」を霧吹きのようにシュッと吹きかけます。納豆菌は熱にとても強いので、熱い大豆にかけても死にません。

納豆菌がかかった大豆を、すぐに白い発泡スチロールなどの容器(パック)に入れます。タレやカラシもこの時に入れます。実はこの段階では、まだネバネバしていません。ただの「納豆菌がついた煮豆」の状態です。

パックに入った大豆を、「室(むろ)」と呼ばれる暖かくて湿度の高い部屋(約40℃前後)に入れます。この部屋で一晩(16〜20時間程度)過ごすことで、納豆菌が大豆の栄養を食べて一気に増え、あのネバネバと独特の香りが生まれます。つまり、納豆はパックの中で完成するのです。

発酵が進みすぎると味が落ちてしまうため、冷蔵庫で冷やして納豆菌の活動を止めます(休眠)。こうして味が落ち着き、おいしい納豆になって出荷されます。
納豆最大の特徴であるネバネバ。これは、納豆菌が大豆のタンパク質を分解して作った「ポリグルタミン酸」と、糖の一種である「フラクタン」という成分が混ざったものです。
「ポリグルタミン酸」は、昆布のうまみ成分であるグルタミン酸が連なったもの。だから納豆は、何もかけなくてもうまみがあるのです。
納豆には色々な種類がありますが、大きく分けると「粒納豆」と「ひきわり納豆」があります。
粒(つぶ)納豆
大豆を丸ごと使ったもの。豆の大きさによって「大粒」「中粒」「小粒」「極小粒」などがあります。豆のふっくらとした食感を味わいたい人におすすめです。
ひきわり納豆
大豆を発酵させる前に細かく砕いて、皮を取り除いてから納豆菌をかけたもの。最初から砕かれているため、納豆菌が豆の断面にしっかり付着し、うまみや栄養の吸収が早くなる特徴があります。皮がないので食感が柔らかく、赤ちゃんや高齢者にも食べやすい納豆です。

大豆はもともと栄養豊富ですが、納豆菌の力で発酵することで、さらにすごい栄養がプラスされます。
ナットウキナーゼ
納豆にしか含まれない特別な酵素(こうそ)。血液をサラサラにして、血管が詰まるのを防ぐ働きがあると言われています。
ビタミンK2
カルシウムが骨になるのを助けるビタミン。大豆のままだと少ないですが、納豆になると一気に増えます。骨を丈夫にするために欠かせません。
ビタミンB2
脂質の代謝を助け、皮膚や髪を健康に保つビタミン。これも、煮豆のときより納豆になったほうが多く含まれています。
納豆のパックをよく見ると、フタに小さな穴が開いていたり、底がデコボコしていたりしませんか?
納豆菌が発酵するためには、たくさんの「酸素(空気)」が必要です。あの穴やデコボコは、パックの中に新鮮な空気を取り込んで、納豆菌が元気に活動できるようにするための工夫なのです。

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